0人が本棚に入れています
本棚に追加
いや、
いつかはバレてしまうだろうが、
今は知られてはいけない──それは自分にとっても政府にとっても同じ事だ。
そして……。
「マズいな……」
遺品から何も盗まれてはいないらしい。
なら“アレ”はまだ無事なのだろう。
だがそれも時間の問題か。
自分があの事が世間にバレてはマズいように、
あいつ等にとってもこれが世間一般に流れるのは避けたいところ。
ならいずれ狙ってくるはず──それがマズい。
白衣の男は考えながら、
本日何度目かの溜め息をついた。
願わくば事無きを得たいのだが、
無理な話だろうと半ば諦めながら。
最初のコメントを投稿しよう!