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真っ昼間から大通りで堂々と他人を襲う──この街ではさして珍しくない光景だ。
相手は全部で五人。
もっとも、
他に仲間が隠れていなければ、
の話だが。
「早くしろよ、
兄ちゃん」
「あんまり焦らすと俺等キレちゃうぜ?」
「だんまりかよ、
クソ野郎……」
口々に言う男達に半ば呆れた視線を送り、
白衣の男は頬を掻く。
そして困ったように口を開いた。
「俺は君達に用は無いんだけど……」
「そうはいかない。
俺等は兄ちゃんに用があんだから仕方ないだろ?」
言うなり、
男達のうちの一人が前に出た。
他の連中も続くように襲いかかってくる。
決して遅くはない彼等一人一人の動きを、
白衣の男はいとも簡単に見切ってしまった。
鉄パイプを片手に迫り来る彼等を、
一人ずつ順番になぎ倒していく。
ドサッという音と共に四人目が地面に倒れ、
最後の一人が怯んでその場に立ち尽くすと、
白衣の男はゆっくりと彼を見やった。
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