標的─1

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 真っ昼間から大通りで堂々と他人を襲う──この街ではさして珍しくない光景だ。  相手は全部で五人。 もっとも、 他に仲間が隠れていなければ、 の話だが。 「早くしろよ、 兄ちゃん」 「あんまり焦らすと俺等キレちゃうぜ?」 「だんまりかよ、 クソ野郎……」  口々に言う男達に半ば呆れた視線を送り、 白衣の男は頬を掻く。 そして困ったように口を開いた。 「俺は君達に用は無いんだけど……」 「そうはいかない。 俺等は兄ちゃんに用があんだから仕方ないだろ?」  言うなり、 男達のうちの一人が前に出た。 他の連中も続くように襲いかかってくる。  決して遅くはない彼等一人一人の動きを、 白衣の男はいとも簡単に見切ってしまった。 鉄パイプを片手に迫り来る彼等を、 一人ずつ順番になぎ倒していく。  ドサッという音と共に四人目が地面に倒れ、 最後の一人が怯んでその場に立ち尽くすと、 白衣の男はゆっくりと彼を見やった。  
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