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「どうしたの? 俺の金、
欲しいんでしょ?」
「……っ!!」
言葉を詰まらせながらも、
男が退く様子は無い。
震える両手で鉄パイプを握りしめながら、
ゆっくりと近づいてくる。
面倒くさいなぁ……、
と小さく呟くと、
白衣の男は溜め息をついた。
今日、
白衣の男がこの場所に来たのは、
こんな下劣な連中と遊ぶためではない。
もとを辿れば、
ある人物と待ち合わせをしていたのだ。
話があるから、
と彼を呼び出した張本人の姿は、
まだ見えない。
まぁ暇つぶしにはなるけど……などと思いつつ、
彼は右の拳に意識を集中させ、
小さな気の塊を作り出す。
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