第1章

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お昼を食べ終え、心も体も満足しながら会社に戻る。 ボードを見ると、加藤さんは外に出てしまったらしい。 しかも直帰と書かれてるのを見て、今日はもう会えないんだと少しだけ落ち込む。 喋れなくても姿を見れるだけでテンションが上がる。 もちろん加藤さんは私だけじゃなくて社内も社外も人気花丸の人。 近くの空気を吸えるだけ私は幸せなんだ。 なじってもらったらもっと幸せだけど。 仕事を終え、家に帰ると玄関に大きな靴。 おっとこれは! リビングに入ると、弟の古都(こと)とその家庭教師の四谷君が並んでご飯を食べていた。 うわぁ!もう今日は最高の締めになったよ! 「いらっしゃい」 お姉さん貫録で四谷君に挨拶すると『お邪魔してます。頂いてます』と笑顔。 ああ、もう本当に素敵! 高校受験を控えた弟の古都。年が離れてるお陰で喧嘩もせず仲良くやってる。 しかも可愛い! 「お帰り、お姉ちゃん」 もう中学生が可愛らしく『お姉ちゃん』って!うちの古都は世界一だと思う! 「ただいま。もう終わったの?」 「うん」 ああ、もう本当に可愛い。 「お帰り。ご飯食べるでしょ?」 「ただいま。うん。食べる」 母親が私のご飯を持ってきてくれる。 「もう食べたの?」 「さっきね。お母さん今から出るからお父さん帰ってきたらご飯の準備してもらっていい?」 「いいよぉ。何?ママさんバレー?」 「そう。もうすぐ大会近いからみんな張り切ってるの」 「怪我しないようにね。いってらっしゃい」 笑顔の母親を見送ってご飯を食べ始める。 可愛い古都とイケメン四谷君と三人で楽しく食事。 今日は本当に幸せだ。
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