第1章

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「仕事中に合コンの話とか随分余裕があるじゃないか」 「すみません!ついイケm・・・取引先の方との親睦は必要かと思いまして」 何故か般若のようなお顔の加藤様。ああ、そのお顔も素敵です。 目覚まし用に欲しいくらい。 「あれ?美湖さん?」 と、今度は四谷君! 「凄い偶然ですね。今日はラッキーな日だな」 と爽やか四谷君。 こちらこそ、またまた両側イケメン。ありがとうございます! 「四谷君はお買いもの?」 「古都の問題集何かないかなって」 「ありがとう。古都も成績上がったみたいで。本当、四谷君のお蔭だよ」 「いやいや。古都がちゃんとやってくれるから・・って、美湖さん仕事中だよね。ごめんね。邪魔して。それじゃ今晩もお世話になります」 「はーーい。待ってるね」 なんて手を振ってると再び加藤様に名前を呼ばれる。 なんか、さっきよりも怒ってる? 「次から次へと、しかも顔のいい男と親しげだな佐久間」 「顔のいい男って・・・加藤さんが一番いい男じゃないですか!」 何を仰るやら。 「今まで出会った男性の中で加藤さんほどのイケメン見たことないですよ!」 「だから俺になじられたいと?」 「え?」 『俺になじられたいと?』って言った? 「え?え?ま・・まさか」 斗貴子との会話を聞かれてた? 「盗み聞き」 「するかアホ!勝手に喋ったのはお前だろうが」 「勝手に聞いたんですか?」 「聞こえてきたんだよ!あの店はよく行くから」 恥ずかしい!穴があったら掘りたい!そして自分を埋めたい! 本人に聞かれてたなんて! 「なじられたいってなんだよ、お前」 ああ、呆れられてる。変な奴だって思われる。引かれてる。どうしよう。 妄想すらも止められるかもしれない。 そんなの生きがいを奪われるようなものだ。 「今夜空いてるか?」 「こ・・今夜ですか?」 「空いてるな。仕事終わったら会社の前で待ってろ。いいな。絶対帰るなよ。 帰ったらどうなるか分かってるよな」 「どーなるんでしょうか?」 「人様の前に出られないようにしてやる」 それって? それもいいかもしれない・・・いやいや、困りますから。 「仕事が終わったら会社の前で待てばいいんですね」 「ああ」 一体どうなるんでしょうか?
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