第1章

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「マコの綺麗な腕に痣が残ってしまった。でも、これでおあいこ」 「おあいこ?」 「うん。動くよ、マコ」 動きを再開した友樹が、グッと大きくなる 友樹の背にしがみついたと同時に 激しく腰を動かされた 「ヒイッ! もう、やだあっ!」 少しでも動きを止めたくて、友樹の背に爪を立てた 引っ掻くつもりが、力なく手が滑り落ちていく もう友樹の背に縋ることさえ、出来ない 「・・・・・・・・・くっ」 弓形の美しい眉を顰め、色っぽい声を漏らした友樹が息を整え ぼくの涙を、拭ってくれる 「マコの顔、色っぽくて凄ェそそる。また勃つ前に出るね」 ティッシュを抜き取り 指でゴムを押さえ慎重に、抜いていく 「ごめんねマコ、無理させて」 抱き締めてくれる腕の中で、頷いた ぼくは、終わった後の安らげる時間が好き たわいのない話をして、笑い合う くすくすっと笑う綺麗な顔に、ドキドキする 「そうだ。ケーキ食べれそう?」 「うん。食べたい」 喘いで、泣いて、身悶えたから お腹ぺこぺこ 「ちょっと待ってて」 ぼくから身体を離し、ベッドから立ち上がった彼は 裸のまま部屋を出た 程良く筋肉のついた痩身の体は、凄く綺麗 「料理って、結構筋トレになるんだよ。重い鍋やフライパンを扱うしね」 なる程・・・・・・、料理で筋肉はつくのか ぼくも料理をしよう! 思ったぼくは帰宅してすぐ、挫折した 難しい! 重い! コンロから鍋を下ろせない! 母は偉大だ 「お待たせ」 戻ってきた友樹は、ベッドの端に腰掛け 皿に乗ったケーキをフォークで切り分け、差し出してきた 「はい、あーん」
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