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失恋して一週間目の日曜日
ぼく鈴木真琴は、最悪の誕生日を迎えた
中学入学と同時に、同じクラスのアイツに恋をした
それを恋だと気付いたのは、振られた瞬間
「マコ(お兄ちゃん)、誕生日おめでとう。これ、プレゼント」
妹のチコは、長いまつ毛をパチパチさせながら
「あたし、お兄ちゃんの妹で良かった。圭介と恋人になれたのも、お兄ちゃんと間違われたからだもん」
チコぉ、ぼくはお前の暢気さが心配だ
そりゃあ、兄妹だからぼくらは似てるさ
でもな?
ぼくの髪は短いし、ワンピースも着ていない
ソバージュの長い髪を揺らし、スカートの裾を翻し歩くお前とぼくを
本気で間違える人間がいたら、驚きだ
「ありがとう。何これ? デカいな」
「えヘヘ。ディズニーランドのお土産、プーさんのぬいぐるみだよ。圭介と初デートだったんだあ」
あー、そう
ぼくの気持ちを二人とも知らない。とはいえ
キっツいなあ
大事な妹と、好きだった男が手を繋いでキスする姿を見るのは
「ぼく受験勉強するから、部屋戻るね。圭介はゆっくりしてって」
恋愛する余裕のある圭介と、ギリギリまで勉強するぼく
頑張ってんのに、国際学園高等部落ちたら洒落にならない
部屋で、プレゼントの包装紙を剥ぎ取った
ぼくのこと笑ってんの?
平和な顔をしたプーさんを宙に浮かせ
思い切り、グーで殴った
あーあ、勉強しよ
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