第1章

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息を詰め、チコの告白を聞いていた恵理が、ふうっと大きく息を吐き出し 「辛い思いをしたのね。よく一人で考え、耐えたわ」 ギュッとチコを抱き締めた 「でも・・・・・・、でも、チコがすぐに決心しなかったから、お兄ちゃん」 「大丈夫。真琴ちゃんの彼氏も聞いてたもの。あなたは、抱えていた荷物を下ろしていいのよ」 キョトンとした顔で、ぼくと友樹を見比べ 金魚のように口をパクパク開け、動揺する姿も可愛い こんな可愛い妹を、本気でぼくの身代わりしたのなら ぼくは、圭介を許さない だけどアイツは一本気で、曲がったことを許せない性質だ 恐らく、チコに本気で告白した チコと圭介が付き合うと知り、初めて圭介を好きだと気付いたぼくのように 「マコ」 この呼び名を許された友樹の存在を知って・・・・・・圭介。圭介 半年前・・・・・・に、どんな思いで諦めたと思ってんの バカ圭介 「一つだけ訂正させて。ぼくとチコの面影を重ねて抱くような真似、アイツには出来ない。チコも分かるよね?」 「・・・・・・・・・うん」 「じゃあ、もう一つお兄ちゃんからアドバイス。一人で決めずに、圭介とよく話し合ってごらん」 睨んでくる恵理を無視して、最善だと思う提案をした チコはまだ、圭介に好意を持ってる それに、圭介を返すと言われても「はい、どうも」なんて、受け取れない ぼくは、初めてぼくに触れた響先生の吐息まで思い出せる チコにとっても、圭介は特別な人 「圭介は、チコの初めての相手だろ?」 「ううん。違うよ」 「へ? 違うって、エエーーッ!?」 チコ、チコぉ お兄ちゃん知らなかったぞ! 「どこの馬の骨相手に、大事なチコの初めてをあげてしまったの。白状なさい」 「あはは、お兄ちゃん変になってる」
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