第1章

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「マコ君」 高校で同じクラスになった乙男、田口友樹に呼び止められた 「チーズケーキ作ったんだ。今晩、食べに来て」 ケーキ・・・・・・か どうするか悩みつつ、友樹を見上げ 濡れた目に、背筋がゾクッとした 「夕飯は、ハンバーグにしてくれ」 サラサラの髪を、色っぽい仕草でかき上げ 「うん。分かった」 おっとりした口調で、友樹が頷いた 「じゃ、後で」 宿題は、ぼくが寝てる間に 学年三位の友樹にして貰えばいい 明日の準備だけしに、家に帰るか 校舎裏の自転車置き場で、後輪に巻いていたチェーンを外し カゴに鞄とチェーンを放り投げた 「マコ、今から帰るのか」 「響先生・・・・・・。サッカー部の顧問が、こんな場所で何やってんの」 ぼくの質問には答えず 長い足を動かし近付いてくる藤本響を見て、仕方なく自転車を置き直した 「お前さ、田口の家行くんだ」 「行くけど、何で知ってんの」 気難しげに眉を寄せ、響先生が制服のボタンをひとつ、また一つと上から順に外してくる 「田口がスキップして帰ってくのを、見掛けた」 下着のシャツをグッと上に押し上げ、胸とお腹が外気に触れた 「ちょっとアンタ、ここ何処だと思ってんだ」 抵抗はしない 見つかっても、怒られるのは響先生だ 「自転車置き場」 ゴツゴツした手の平が、胸に触ってきた 「・・・・・・・・・・・・ぁ、く!」 尖りを摘まみ、引っ張り上げながら 「どうだ? 外で犯される気分は」 憎たらしい口調で、聞いてくる 次の動きを予測し身構えても、ぴくんと震え 「・・・・・・ああ・・・・・・っ、あ」 「声、堪えろよ。人が来ちまう」
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