第2章

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“無性に会いたくなった”のわりに、熾烈な目で睨まれている気が・・・・・・ 「開けすぎ」 「へ? 何が」 「カッターシャツ」 圭介の視線は、学校制服のボタン パンの売り子を終えてすぐ、暑いし、二つ開けていた 「見えてんだよ。ピンクの色っぽいのと、赤い痕が」 スッと目を眇めた圭介に、ビクッと肩が震えてしまう あ あ あ 赤い痕!? 色々とパニックだ 圭介に色っぽいと言われ、喜ぶぼくと 響先生の残した痕を見られたショックで、頭の中が真っ白 「ちょっ、ちょっ、ちょっ」 「ぶはっ、面白ぇ 三回同じ言葉言ったら、何かあんの」 笑いながらボタンをとめていく圭介の顔は ぼくの目の前 彼の吐息が唇にかかって、めまいがする 「これでよし。なあ、マコ」 近い、この距離で話すな 思わず俯いたぼくの前髪を、勝手にかきあげ 顔を覗き込んできた もう、無理! ぼくの顔、絶対、爆発する 「ごめん。お前の大事な妹と、一昨日別れた」 「はあ!?」 「俺から告白したのに、最低だよな。チコにも怒られた。お兄ちゃんと間違えないでよって」 チコの名を聞いたぼくが、泣きそうな顔をしたからだと思う 困った顔で「ごめん」 二度目の謝罪をしてきた 「好きなんだ。マコのことが、二人の男と関係をもっていても、凄ェ好き」 あやうく絶叫しそうになった口を、両手で塞いだ 響先生と友樹の二人との関係を、圭介が知ってることに心臓が竦んで それでも、ぼくを好きだと言ってくれたことで、ドクンと跳ね上がった 「卒業式の日。誰もいない教室で、俺の机に突っ伏して泣くマコを見た。  柔らかいマコの髪が日に当たって、涙と一緒にキラキラ光っててさ。綺麗だなって」
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