第2章

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圭介の手の温もりが、いつの間にか頬にあった 「マコのこと考えただけで、心臓がドキドキしてさ。なんて目で友達を見てんだと思ったけど、もう、無理」 魅力的な低い声を、はっきりと耳は拾うのに 視界が悪くて見えない 言葉を交わしただけで、苦しくて、幸せになる人の顔が 「諦められない。マコを泣かしても、好きなんだ」 ぼくの頬を撫でる圭介の手を意識して、やっと気付いた 自分が泣いてることに 「好きだよ」 「うん」 「一緒に空眺めよう」 「うん」 「ずっと隣にいて」 「うん」 「ちょうだい」 「ん?」 一瞬のキス 圭介の唇が柔らかく重なって、離れただけの 「あふぁ、あふぁ」 動揺して言葉を忘れたぼくを、じっと見つめてくる 夢にまで見た欲に濡れた圭介の瞳で、ぼくを・・・・・・《ボン》顔が爆発した 「凄ェ可愛い」 目を細め笑った圭介の、耳たぶを触る仕草にドキドキする ふわぁ~っと、身体が宙に浮いてしまいそう 好き、好き、好き 圭介のことが、大好き 「圭介ー、時間」 「はい! ごめん、競技中だから休憩短くてさ」 離れていく温もりを、ガシッと両手で掴んで 「あわわわ、ごめっ、ん」 筋肉 圭介の腕の筋肉、半端ない 幻聴で《シューッ》脳の沸騰した音が聞こえた 頬が火照るなんてもんじゃない 絶対、燃えてる 「・・・・・・行かないと」 立ち上がった圭介が、切ない瞳でぼくを見てきた 圭介、どうしてそんな悲しい目をするの? 安心するまで、ギュッと抱き締めてあげたい 「マコ。他の男じゃなく、俺を選んでくれると嬉しい。じゃあな」
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