第2章

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「ぼくも!」 ーー好き 立ち去りかけていた圭介が、振り向いて笑った ぱっと華やいだ笑顔に、首元まで赤く染めた圭介の照れた表情に 胸が張り裂けてしまいそう もう止められない 溢れ出る気持ちにふたなど出来ない ぼくは圭介のこと、大好きだ 翌日の月曜日 「真琴ちゃん。私も友樹に呼ばれたの。一緒に風紀行こう」 登校してすぐ、愛美とニ人で風紀委員室に顔を出した 「お茶、飲む?」 「うん」 冷えた麦茶をマグカップにいれてくれた友樹が、ぼくの隣に腰をおろす 「分かってたよ。勿論、マコから聞くまで期待はしてたけど、一番になれない気はしてたかな」 穏やかな顔でぼくを見て微笑む彼に、胸がズキッと痛んだ ぼくの一番は圭介 どんなに圭介への想いを消そうとしても、消せなかった 「ごめん」 「謝ることじゃない。最初からマコが選ぶ約束だ。それに、友情は継続でしょう」 言いながら渡されたのは、風紀主導文化祭実行委員の冊子 「大変な仕事は風紀と適当な男でやるから、二人には例年の頼みたいんだ。どうかな」 例年の・・・・・・ 生徒会は休日のパン売りでお金を稼ぎ、風紀は文化祭でパンを売り稼ぐ とは言っても、実行委員も兼ねる風紀に暇はない ぼくたち一年の中から、見繕って売り子を頼むのが通例 売り子がクラス出店に参加出来なくなるのも、暗黙の了解 あーあ、文化祭の準備だけかぁ 「いいよ。友達だし」 自分で口にした友達という響きに、胸がくすぐったい 肩をすくめ、くすくす一人で笑った 「ありがとう、マコ。愛美も頼めるかな」 「いいわ。頼まれてあげる」 「偉そうな返事だなぁ」 ぶはっ、噴き出して笑う友樹につられ 愛美とぼくも笑った 良かったー。友樹と、友だちでいられて
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