第2章

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圭介と見つめ合うぼく 鏡の前で練習した成果を発揮するのは、いまだ! そして、綺麗に微笑むぼくに圭介は 「綺麗だマコ。お前の全てが欲しい」 「はい。圭介」 ドキドキドキドキドキ 落ち着かない心臓に手を当て、深呼吸 いや? その前に 人生初のなめなめデビュー、とかしたりして く~~~~~~~~~! 学校のトイレでチラ見しかしたことない圭介の物を、なめなめするぼく もっとアイスで練習すべきだった! ここまできたら最後まで ううう、緊張でお腹痛くなってきた 駄目だ! 怖じ気づくな 男を相手にするのは、初めての圭介 ここから先は、ぼくがリードしていくんだ 全神経を顔に集中して、最上級の笑顔を・・・・・・・・・・・制服? 「マコ。帰りたくねぇけど、朝練あってさ」 「・・・・・・・・・・・・ぐすっ、うん」 「泣くなよ。マコの輝いた笑顔が好きなんだ」 鏡の前でいっぱい、練習したぁ ごめん、そんな苦しそうな顔しないで 圭介は悪くない ぼくが焦っただけなんだ 男のぼくより、女の子がいいって言われるのが怖くて 早く圭介に抱かれて、デートしてチコと同じ経験したかっただけ スーッと大きく息を吸い込んだ 「ありがと。忙しい、のに来てくれて」 泣いてしまったから、最上級のじゃないけど 圭介が好きだと言ってくれる笑顔で、見送りたい ぼくを見てハッと息を呑む圭介に、嬉しくなった 練習した甲斐、あったかも 「実は、ぼくも明日早いんだ。文化祭の準備あるし」 「文化祭か。必ず行くよ。マコのクラスは、一年三組だよな?」 覚えててくれたんだ あの頃は、親密な二人を見るのが辛くて「ーの三」ぼそっと答えただけで、出て行ったのに 嬉しくて、キュンと胸が切なくなる 玄関で靴を履く圭介に、頷いて答えた 「うん。でも、ぼくは風紀のパン売り。だから、準備の手伝いだけは、頑張ろうと思ってる」
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