第3章

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順調に進むクラスの飾り付け 日に日に喫茶店らしくなっていく教室で、ぼくと愛美の仕事はコースター作り 手を動かしつつも、口も休まず動く 「私ね、鈴木と別れたのよ」 淡々と言ってはいるけど、残念そうだ 今回の恋探しは、3週間続いた 短ければ2日 「そっか、次はいい人に出会えるといいね」 「ありがとう。そう願うわ」 こくんと頷いて、にっこり笑う ん? なに 首を傾げ、愛美の顔を見た 「でさ、一緒にサッカー部のマネージャーしない?」 「はい? あそこ、4人もマネージャーいるでしょう」 毎年、マネージャー希望者の中から、三年の好みで選んでいるせいか 可愛い子が多い 「練習試合で試合に負けても、マネージャーの可愛さで負けたことはありません」 部活紹介の場で言ったために、笑いとヒンシュクを買ったサッカー部 あのプレッシャーの中で面接に行った子は、強心臓だと思う 「それがね、困ってるらしいの」 「何で?」 「マネージャーが仕事しないって」 ・・・・・・・・・・・・・・・なる程 あの深いため息は、マネージャーのせいか でもなぁ 「何を困ることがあるの?」 仕事といっても、ビブス洗ったり、ポカリいれるしかない 後は全部、一年男子が片付けるから 「ヤキモチよ。五組の加藤保ばかりモテるから、先輩たちのイジメが始まったんですって」 あー、分かった 未来のエースが退部しそうで、困ってたんだ 助けてあげたいけど、圭介は何て言うかな 友樹のことで嫉妬すると言われたばかり ちゃんと相談してから、決めたい 「明日まで考えさせて」 「了解」
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