第1章

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濡れた下着が気持ち悪い 信号で自転車の動きを止められぬよう、遠回りを選び 突っ走って帰宅した 「うわ、サドルびしょ濡れ。しかも臭っ!」 サドルを拭いたハンカチをポケットに入れ 「誰も居ませんように」 そう願いながら家の玄関を開けると、男物と女物のスニーカーが飛び込んできた (やば・・・・・・っ、チコと圭介がいる) 中学三年、受験生のチコは 圭介と同じ地元の進学校、私立白石高校に進学するために 猛勉強中・・・・・・、多分 「お兄ちゃーん。チコ、欲求不満だよ。圭介としてないんだもん」 「だからって、夜中にぼくの部屋に忍び込むんじゃない」 西洋人形のような愛らしい妹に、夜這いされるとは 想像もしてなかった 「ちょっとだけ。ね? チコの触って」 ベッドに横たわり 恥じらいなくパジャマの裾をめくり、足を広げたチコに目眩を感じつつ 横目で確認し、ホッと息を吐き出す 可憐なデザインのベビードールの下に、ペアの布地のパンツをはいていた 良かった。生で見てしまえば、圭介に顔向け出来なくなる 失恋はしたけど、友情まで無くしたくない それにしても、チコの体臭だろうか? 甘いような酸っぱいような匂いが、ぼくの鼻腔をくすぐってくる 「ここ、小さなお豆。此処だけで良いから触ってよ」 「絶対駄目! 圭介に頼みなさい。それか、自分で慰めるの」 「お兄ちゃんの部屋で?」 「違う! 自分の部屋で」 勉強の前に、圭介に抱かれてるのかも 階下からチコの部屋を見上げ、くすっと笑った (チコ、圭介に体の疼きを鎮めてもらえよ) 忍び足で脱衣場へ向かい 制服を脱いで、洗濯機を作動させた 「シャワー浴びないと」 響先生の唾液でベタベタの体を、洗い流す 二人と関係を持っていても 響先生と友樹の間接キスは、嫌だ 「鎖骨の痕、結構目立つかも」 友樹がこんな痕つけたら、響先生は許してくれない癖に ・・・・・・勝手なんだから 責められるのは、ぼくだっての 制服の替えと教科書を準備して、自転車に乗り友樹の家へ向かった
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