第1章

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「いらっしゃい。マコ」 出迎えてくれた友樹と、軽く唇を合わせ 美味しそうな匂いに頬を緩ませた 「お邪魔します」 田口家は、乙女チックなパステルカラーで統一されている 友樹の父は単身赴任で家を離れ デザイナーの母親は、付き合いも多く留守がち 兄は県外の大学へと進学し、家にいない そんなわけで、部屋全体友樹の趣味に染まっている 「チーズケーキは、食後の運動してからにしよう」 綺麗に微笑み、ぼくの髪に繊細な指を絡ませ 「遅いと思ったら、シャワー浴びて来たんだね」 ふわっと髪を揺らし首を傾げた友樹の、凍てついた目に ヒュッと喉の奥が鳴った 「先にベッドで休んでてくれる?」 食べ終えた食器を片付けた友樹が、エプロンを外し ピンク色のガウンを手に取った 「全部脱いで、これ一枚だけ着てね」 「分かった・・・・・・」 風呂へと向かう友樹を見送り はあ・・・・・・、気が重い 急に頭がぼうっとして、体までだるくなった 友樹の部屋へ入り、服を脱いでいく パンツに手をかけ 友樹の派手なキス痕を見て怒った響先生に、脱いだぼくのパンツを口に突っ込まれ スパンキングされた思い出が甦った ぼくのお尻は、椅子に座ることも出来ないほど腫れ 痛みに泣き喚いたぼくは、イきすぎて まともに歩けなくなった ヤバい、記憶だけでぶるりと震え 「凄ェな、マコの厭らしい身体」 ーーーイッてしまう・・・・・・ 頭を振って気持ちを切り替え、パンツを脱ぎ ガウンを羽織り、笑った 「何これ、太ももまでしかない。チコの勝負服みたいだ」 ベッドに横たわるぼくの耳に 《カチャ》 ドアノブの回る音が聞こえた
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