第1章

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「悔しいよね。俺に抱かれると分かってるのに、こんな痕残すなんて」 ガウンの紐は解かず 胸元に、風呂で温まった手を入れてきた 「ああ、ん・・・・・・っ、友樹」 首筋に埋まる友樹の唇が、執拗に同じ場所を舐めてくる 分厚い皮膚に覆われた手の平、指先、甲 胸元で自由に動く微妙な感触の違いが、堪らない 「お願・・・・・・、い。もう、いや」 刺激に弱いぼくの胸ばかり、愛さないで 細身の筋肉質な背に、しがみついた 「可愛いね。マコの白い肌、淡い桜色に染まってる。男でなくても、そそられるから気を付けて」 男でなくても・・・・・・ 男女共学の高校に入学してすぐ、友樹と親しくなったキッカケを指してると気付いた 登校二日目の4月 数学の授業中、尿意を感じていたぼくは チャイムと同時に、トイレに走った 「ちょっと、違うでしょう」 男子トイレの前に立ち塞がった女子たちに、取り囲まれ 漏れる、漏れるんだって 「はあ? 退いて、違ってても良いから」 限界を訴える膀胱に、足踏みするぼくを見て 女子の目が、キラリと光った やだやだ、何だよその目は 「真琴はこっちよ」 切れ長の色っぽい目が印象的な美少女に、腕を掴まれ 女子トイレに引きずり込まれた 「うわ! ちょっ、止めて! 離せって、ズボンを下ろすな!」 「か弱い女の腕も振り払えないなんて、真琴ちゃん本当に男?」 情けないことに、ぼくの腕力のなさは父譲りだ 華奢で繊細な作りの父は、見た目を裏切らず弱い 「見りゃ分かるだろ。もうお願い、離して」 あっさり女子たちに、下半身を剥き出しにされ 「キャー、ピンク色。お肌もすべすべ」 批評されるという 恥ずかしい思いをした 「無理! ほんっと、漏れる」 「おしっこしたいのね。私の見てる前で、しゃがんでしてみせて」 「はあー!? ちょっ、と。押すな」 ドアを開けたトイレに押し込まれ あまりの羞恥と自分の弱さに、涙が出た 「可愛すぎ、真琴ちゃん。胸がドキドキして襲いたくなっちゃう」
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