第1章

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飛び散るカルピスの行方を薄目を開け、追いかけていく ピチャ、着地で響く音に全神経を持っていかれた 「あ! ああ!」 ピチャピチャと平らな皿から美味しそうに、零したカルピスを舐めとっていく舌 過敏になった、細胞という細胞が 激しく反応して、助けを求め友樹へと伸ばした手は、空を掴んだ 「アアア・・・・・・ッ、ああ!」 新たなカルピスが飛び散った くすっと笑う気配がして、涙で霞む目を友樹に向け 彼の白い歯が、キラリと光るのを切なく見詰める コリッとした食感を楽しみながら、喉の奥へと飲み込まれていった 「アーーーッ・・・・・・・・・!」 三度目の神経過敏に、涙が溢れ出てくる 間髪入れず、中に入った指が ぐちゅぐちゅ音楽を奏で、鍵盤を叩き 狭い空間で、自由気ままな曲を弾いていく 「やめて! 友樹、お願いっ!」 「我が儘だね。触ってイかせてと頼んだのは、マコだよ」 「許して・・・・・・ッ、もう辛い。お願い、許して」 綺麗に微笑んでいる彼に、必死の思いで懇願する 「もう、可愛いなあ。腹が立つからもっと虐めたかったのに、仕方ない」 前を寛げた友樹が、にっこり笑って 「次は、俺の番ね」 言った ズンッと押し込まれた熱と、激しい突きに嬌声を上げ身悶える 「はあああっ・・・・・・んん、アアッ!」 引くときの微かな抵抗に電流が走り、押し込み広げる感覚に 髪の毛の生え際までそそけ立つ ビクビクと全身を震わせ、背を反らせた 「またイったね。薄くなったけど、マコのはいい匂い。最高だ」 そう言って 唇を合わせてきた ザラザラした感触は、唇を離れ緩やかに下っていく 「自由にしてあげるね」 ぼくの腕をとり、ガウンの紐を解いてくれた友樹が 手首をペロリと舐め ニヤリと笑う
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