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「何も手掛かりがねえ」
思い出してみてもヒントの欠片も見当たらない。
―――いや、1つだけ思い当たる節がある。
『魔法少女☆ミラクル』の正史とはかけ離れた道筋を辿っている。
それが原因で光太郎の身に……もしくは『この世界』に何らかの変化が起きたと考えるべきか。
あとは何者かに連れ去られでもしたのか。
何にせよ、このままでいても話は進まない。
何が起ころうと大丈夫なようにアームズを装着する。
懐から手のひらサイズの灰色の箱を取り出す。
それに備え付けられているスイッチを押す。
同じ学ランなので分かりづらいが、黄色いボタンが付いている以外は黒一色の学ランを着る。
最近では学ランというよりは、黒の長い上着という印象が強くなってきている。
手にはお馴染みの木刀が握られる。
アームズに何らかの変化が起きているのだろうと自己完結する。
「さて」
光太郎は左腰に備え付けられた小さな黒いカードケースを開く。
木刀の持ち手の部分側の先にカード挿入口がある。
そこに特定のカードを入れる事で様々な武器に菅田を変える。
光太郎の必要とする武器を思い浮かべる事でカードケースから自動的にカードが出てくる。
今回は口径が15センチもある青い銃――アマップを選ぶ。
感覚を強化し、『虚空』で上空まで駆け上がって状況を整理したい。
体力の消費は致し方無い。
「ん? あれ?」
しかし、光太郎の旗色が悪くなる。
“カードケースからお目当てのカードが出てこない。”
こんな事は初めてだ。
他のも出そうと試みる……が、出てきたのは依然使用不能なエクスカリバーのみ。
「何、で!?」
いくつもの謎を抱えてからのスタートになった。
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