探索というのはRPGの醍醐味だよね

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『はい。可能である事ならば、こちらでご用意致します』 「なるほどな。だとしたら、“報酬目当てでもう1度”『ゲーム』に参加する事も可能なんじゃないか?」 『ご想像にお任せします』 「何か目的があって参加してる奴も居るのか?」 『そちらもご想像にお任せします』 光太郎の連続した質問に男は一辺倒に返した。 「念のため聞くけど……知ってるけど答えないって訳じゃないよな?」 『はい。それはありません』 そこに嘘はあるまい。 「この『ゲーム』に出てくる『敵』は何なんだ? 何処で用意しやがった?」 前半の部分は分かっている。 大事なのは後半部分。 ディグリーを用意した場所は何処なのか? 調達できる場所や用意できる奴など限られる。 『どちらも『ゲーム』には関係ない事なのでお答え出来ません』 言外に『敵』の存在を知る必要はないと言われる。 今の発言から「知ってはいるが、答える権限がない」なのか。 はたまた、この男はチェルノボーグと繋がっている……? ―――だとしたら、俺に驚く理由も無いだろ。 チェルノボーグ一派の実力は「とんでもない」の一言に尽きる。 驚く演技をするとは到底思えない。 ―――まあ、分からんものを考える意味もないか。 チェルノボーグとの繋がりを知りたいが、この様子だと口を割るかも怪しい。 他にも聞きたい事はあったが、『ゲーム』とは関係無い事柄なので答える事はあるまい。 それに――もう下手を言って“巻き込みたくない。” 「また何かあれば来るわな」 『皇光太郎』 部屋を出ようと背を向けた光太郎に男は声を掛ける。 『あなたの活躍に期待しています』 「ああ、そうかよ」 そう端的に光太郎は返す。
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