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「どんな妙手なのか……是非とも拝聴したいですね」
「んな、大層なものでも無いぞ」
藤堂であれば思い付きそうなもの。
ただ、実行に移すには条件が厳しい。
故に光太郎は大したことじゃないのだと流そうとする。
藤堂は「そうですか」と話を切り上げる。
納得してくれるなら、それが良い。
「話はそれで終わりか？」
「いえ、むしろここからが本題です」
どうやら藤堂の用件は他にあるようだ。
「皇先輩。僕と手を組みませんか？」
「え？ 俺と？」
驚いてしまう。
藤堂の提案はそれほどまでに光太郎に衝撃を与える。
「おいおい、俺なんて何か役に立つか？」
「はい。僕はそう確信しています」
そう力強く言われては光太郎も照れ臭くなる。
いつも思うが、皆過大評価ではないかと考えてしまう。
しかし、そう思うだけの理由が向こうにはある事となる。
「悪いな、俺にはやらにゃならん事がある」
藤堂と手を組む事にはデメリットは少ない。
無いとはっきり言っても良い位だ。
「理由を聞いても？」
「お前は1人でも大丈夫だろうよ。でもよ、他の連中を放っておけないからさ」
偽らざる本心を光太郎はぶつける。
藤堂は心配するだけ無駄だ。
「ミュウとか静音を放っておくのは忍びないしな」
「思っていたより皇先輩って義理堅いんですね」
「そうよ。そいつはみんなが思う以上に義理堅いタイプなのよ」
藤堂の言葉を肯定しながら会話に乱入してきたのはミュウだ。
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