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「何か思い出せそうか?」
「駄目だ~。これ以上は思い出せないよ~」
申し訳なさそうに静音は告げる。
しかし、そんな申し訳無くされる必要もない。
実際、帰り道に気絶させられたとなれば情報はそれ以上出てくるとは思えない。
叩いても埃が出ないなら放置で構わないだろう。
「きみ達も同じなの~?」
「ああ、似たような感じだ」
気付かない間に連れてこられた点で言うなら同じだ。
違うのは自分達が連れ去られる前には就寝しており、連れ去られた後に事件として取り上げられる可能性が大きい事。
考えていても、結局は光太郎が結論付けられる可能性は幾つもない。
しかも、どれもが濃厚となっているのだからどうしたものかと思案してしまう。
―――まあ、良いんだけど。
光太郎は最終的にそう納得した。
確かに考察すべき事柄はいくつもある。
だが、いずれにしたって答えは転がってくる。
「とにかく、先を見据えて時間まで休むか」
休める時に休む――これは必要な事柄だ。
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