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スイッチはどれがチャンネルを回すのか電源を入れるのか、赤く錆び付いていてわからなかった。だから俺は左から順番に押していった。一番右のスイッチを押したところで画面が明るくなっていないことを確認して俺はほっと溜め息をついた。
西園寺の正坐している後ろ姿が反射してテレビの黒い画面に写り、彼女は抽斗に入っている和服を広げていた。俺は振り向いて和服に目をやった。ボタンの花の絵が水玉模様のように描かれている白い和服だった。
彼女は俺の視線を感じたのか再び後ろを振り返り
「なによ。テレビはついたの?」
「反応ないよ。もういいだろう。ここから出よう」
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