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西園寺は和服を床に置き、立ち上がってテレビの前に座っている俺に膝蹴りを入れて強引に入ってきた。
「何言ってるのよ。それにテレビなんだからこれぐらいやらなきゃダメじゃない」
そう言って彼女は立ったままブラウン管テレビの上の部分を思いっきり叩いた。一回、二回と叩き、「駄目ね」と言って俺のほうを振り向いた。俺は背筋がぞっとするのを感じた。
テレビの画面に一瞬だが砂嵐が流れ、そのあとに白黒の人影が複数写り、彼らはどこかの建物の中に入っていくところだった。一人の手には縄のような物があった。「ボワアアア」と音声が流れ、その様子を注視しようとしてテレビのほうに注目してみるとすぐに真っ暗闇と化した。
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