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「あらやってみないとわからないんじゃない。それとも本当にビビリさんで電源を付けることでさえ出来ないのかしら?」
西園寺は片眉を釣り上げて言った。普通の人と一緒にきたら誰も文句を言わずに見逃してくれるのだろうけど、彼女はそうはいかなかった。
「わかったよ。やればいいんだろ。ほら零二そこをどけ」
俺は声を震わせながら言った。声が震えていることに西園寺は何も言わなかった。テレビの前に立っていた零二が射水の真横に並び、俺はテレビの真正面にしゃがんだ。ブラウン管の黒い画面には俺の顔が若干引き伸ばされたようにして写っていた。白いTシャツに十字架のアクセサリーがその下に続き、俺の手が画面に大きく写されていく。
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