第1章

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「くっそ!何で僕が貧乏人に試合で負けたんだ!?何故僕に反撃した!!死ね!おかげでユミコちゃんに恥を晒したじゃないか!!死ね!死ね!死ね!」 あー、最近暴力が暴力に思えなくなってきた... 小さい頃から大怪我をしてたせいか最近の僕の防御力がヤバイ。 試合の時なんか目の前でキレてる坊ちゃんの魔法や攻撃が紙切れで叩かれてるのかと思ったくらいだ。 反撃しないで魔力切れを待ってても良かったけどプライドの高い貴族の方々だ、きっと今より酷い仕打ちが待ってたに違いない。 ん? あー、もう仕返しは終わってたのか。 もともと魔力が尽きかけてたしこんなもんか。 はぁー、そろそろ帰ろ。 え、嘘、今日無傷だ....幸せやぁー。 っと、中学の時ははそれで後悔してたな、気を付けなきゃ。 _______________________ 「なぁ、そこの君。」 え、僕かな? って、勇者くんじゃないか。 僕に何の用だろう。 「君、強いね、試合見たよ。君みたいなのがこの学園に居るなんて全く気づかなかったよ。訳ありで今まで力をかくしてたのか?」 そこまで重い話じゃないが、まぁ隠してたっちゃ隠してた。 単に貴族に勝ったときのはらいせが面倒だったし、試合で傷を負ってた方が遥かに被害が少なかった。 「あー、もし、君さえ良ければ、なんだが俺とパーティー組んでくれないか?」 うぉ、勇者くんにパーティーのお誘いをしてもらえるなんて... てか、イケメンだなー。 畜生、イケメンで強くて人気者。 おまけに僕を正当に評価してくれるなんて.....いいやつすぎるぜ!! 僕と真反対じゃないか。 神様め、死んだらいつか訴えてやる。 おっとっと、そうじゃない、パーティーのお誘いかー。 いや、ここで承諾すると後が怖いな.... ハハ、経験則が言っている、既に誘いをかけられた時点でアウトだと........................................................................................あ、えーと、泣いていいっすかね? はい、結局断りました。 ムリムリ。 あー、勇者くん、断ったとき凄い落ち込んでたなー。 きっと勇者くんは勇者くんで学園内で誰ともパーティーが組めなくて悩んでいるのだろう。 勇者くんは強いからなー、きっとついていける人なんて居ないだろう。 うーん、あー、どうしよぅー! まぁ、僕の被害が少し大きくなるだけか、よし。
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