0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたたちは私を囲んで何してたの?」
少女がきくと、小人はめいわくそうに、まゆをひそめた。
「質問ぜめですなあ」
「あなたが『せめ』で、わたしが『うけ』で?」
「変わったのを見つけたらキョーミを持つのが人ってものでは?」
少女は小人をにらんで言う。
「煮るとか焼くとか言ってなかった?」
「食べるつもりだったんでしょう。マカロンのくせに人間さまを食おうなどと万死に値する。」そう言って少女がねめつけると、小人は小便をもらして、首を横にふった。
「食べるだなんてメッソーもない!」
「シャリアピンにしようだなんて考えてもいませぬです、はい」
「僕らはウサギの話をしていたのです」
「ウサギ?」
少女がくり返すと同時に、草むらがガサガサと音を立てた。振り返ると真っ白なマジパンが弾丸のような速さで飛び出した。それは確かにウサギの形をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!