こんな琥珀はいやだΣ(οдО;)

side タケ

その日雨さえ降らなければ

その時他の誰かが一緒なら

きっと何も、起こらなかった。

「――何見てんだよさっきから」

「別に……濡れるよ」

「いいんだよ別に」

良くない。

だってそうやって周りを拒否するお前は

いつだって痛々しい。

どうしたらお前は、俺の傘に入る？

彼女はどうしてたっけ。

そうだ、隣に座ったんだ。

同じようにはしたくなかった。

傘を持ったまま隣に立ってみても

高すぎる傘の位置では雨からは守れなかった。

「――何してんの、お前」

「何って、お前の真似」

役に立たない傘は棄てた。

守れないのなら

俺も一緒に濡れようと。

「濡れてんぞ」

「いいんだよ別に」

そっくり真似をして答えたら

面倒くさそうに濡れた髪をかき上げた。

首筋に伝う雫が綺麗で

これなら濡れていても別にいいと、本当に思えた。