side ユウ

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確信はなかった。 家にまで連れてきて それでも乾いた服に着替えさせたら送っていくつもりだった。 お前が悪い。 ほんの十数分雨に濡れた程度で熱を出すお前が 熱に浮かされたくらいで 『温めて』なんて言うお前が。 濡れた服を脱がすのは手間だった。 はり付いた服は そこから剥がされるのを拒むみたいに。 震えているのは濡れた服のせいなのか それともそれを剥がそうとしている俺のせいか。 そんなことをしている内に身体の表面だけがどんどん冷えていく。 内側に籠った熱のせいか苦しそうな顔を見ていられなかった。 「めんどくせぇ」 半分肌蹴たままのお前を引っ張り上げて そのまま風呂場に連れ込んだ。
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