プロローグ

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悩んでてもしようがないから大知に話を戻した。 「そういう大知は澄ました顔してるけど、ちゃんと出来たのか?」 「ふふん、俺が出来るはずがない。」 爽やか過ぎるくらいの笑顔を向けてくる。 「でも出来なくてもいいんだよ。大学はスポーツ枠とって貰ったから。」 忘れてた。こいつにはその手があったのか…。   「あれ?そういや秀二は?」 いつもなら、ここでもう一人の親友である秀二が話しに入ってくるはずだけど、何故か今日は見当たらない。 「ああ、あいつなら唯とデートするって言ってさっさと帰ったぞ。」 あの秀才カップルめ…、なんだその余裕は。   「それで?お前と舞はどうなってるんだ?」 「え?どうなってるって別にどうもしないけど。」 そういうと、大知は呆れたように 「お前なぁ…。それじゃあせっかく付き合えたのに、即行で別れることになるぞ?」 そういえば、ちゃんと付き合うことにしたんだっけ。   舞は向かいに住んでいる幼馴染。 いろいろと遠回りしていたのは確かだけど…。   「お前らいつも近くにいるんだからさ。せめて二人だけの時くらいはなんかイベント起こさないと。」 「イベントって…やっぱそういう話か?」 そう返すと、大知は満足そうに笑顔を作って見せた。
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