プロローグ

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クロってのは家の隣に住んでるちょっと変わったやつ。 変なんだけど… すごいのも確かだ。 証拠がほとんどない事件でもすぐに解決してしまう。 事件というのもやつには変な肩書きがあるから。   「探偵」だ。   普段のとぼけた様子からは想像もつかない推理力を見せるのだ。 ホントに同一人物なのかと疑ってしまうほど。   テストがあるからってことで、もう二週間くらいクロの家には行っていない。 その前は頻繁に通って面白い話をしてもらっている。 今日もそれを期待してクロの家に行く訳だけど。 舞はというと、おやつを持ってくるからと言って一回家に戻っていった。   クロの家の玄関に入ると、久しぶりに来たせいか少し違和感がある。 別に大して物がないからその違和感の元はすぐにわかった。 見たことのない靴があったからだ。 なんか前にも同じようなことがあったな。 あの時は確か警部さんが来ていて、クロに依頼をしたんだっけ。 てことは今日も依頼人が? 世捨て人のクロをどうやって見つけるのかが不思議だ。
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