プロローグ

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リビングに入って見えたのは、クロと向かい合って座っている…学生? もしかしたら俺よりも年下かもしれない。 そして、その男の子を目の前にしているクロは様子が少し変だ。 もしや隠し子!?   ……   んな訳ないか。   「よお、クロ。どうかした?」 「あ、敬介君。ちょうど良かった。ちょっとこの子どうにかして…。」 クロを困らせるとはなかなかのつわものだな…。 その男の子を見てみると、顔立ちが整っていてなかなかの美形で、どこかのお坊ちゃまの様な雰囲気を出していた。   「お前が敬介か。」 「はい?」 いきなり呼び捨て? すると立ち上がって自信満々にこう言ってくる。 「言っとくけど、白取さんの助手は僕だからな。」 前言撤回。こいつはとんでもないくせ者らしい…。   「助手ってなんの話だよ?てかお前はなんなんだよ。」 「僕の名前は神部 浮羽(カンベ ウキハ)。お前なんかよりずっと白取さんの優秀な助手になれる男だ。」 「いや、別に俺は助手でもなんでもないし。なあ、クロ?」 クロのほうを見ると、何かを考えている様子だった。 「神部浮羽…。」 「おい、クロ。こいつ知り合いなのか?」 「え?ああ、今日が初対面だよ。」 そこに浮羽とかいうのが割って入ってくる。 「白取さんの凄さを知っているからわざわざ頼みに来たんです。ぜひ助手にしてください!」   なるほど…。だからクロも困るわけだ。 こんなのに付きまとわれたらな。   「そう言われても僕は助手とか募集してないし…。あ、専属コックなら欲しいけどね。」 「あ、料理はちょっと…。」   ははは…。ついていけないや。
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