プロローグ

7/10
前へ
/28ページ
次へ
俺が呆れていると、玄関でドアが開く音がする。 舞が入って来たらしい。 「おやつ持って来たよ~。あれ?お客さん?」 舞の手には、お皿に山盛りのおいしそうなクッキーがあった。   俺が話しかけるよりも早く、浮羽が舞に食いついた。 「おお!貴方が舞さんですか。思っていたよりも可愛い!」 「え?ああ、ありがとう…。」 舞が苦笑いで応える。 そう言ってる浮羽の目は、これでもかと言うほど光っていた。 「敬介、この子誰?」 舞が俺に助け舟を求める。 「クロの助手希望だとさ。」 「助手ね…。」   すると今まで黙っていたクロがいきなり声を上げる。 「よし、出来た。」 「ん?出来たって何がだよ?」 俺達はクロのほうに集まる。 「暗号作ってみた。これを敬介君と浮羽君で競争して解いてもらおうかなってね。浮羽君が先に解けたら助手にしてあげよう。」 クロは手に持っていた紙を机に置く。 その上には、クロがボールペンでこう書いていた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

206人が本棚に入れています
本棚に追加