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「それじゃあちょっと用事あるので僕はこれで。」
そう言って浮羽が自分のかばんを持って帰り支度をする。
そして帰り際にとんでもない一言を言い放つ。
「そうだ!あの~、舞さん。」
「ん?わたし?」
「はい。あの良ければ僕とお付き合いしてもらえませんか?」
お付き合い…
「って何勝手なこと言ってんだよ!」
俺は思わず大きな声を出してしまった。
「お前には関係ないだろ。」
なんで俺だけ敬語じゃないんだ?
じゃなくて
「関係あるし!舞はだな、俺の…その…。」
「彼女なんですか?」
浮羽がずばっと舞に聞いてくる。
「まあ、一応ね。」
それを聞いた浮羽はしばらく黙った後口を開いた。
「わかりました。ならば二人が分かれるのを待ちます。僕のほうがずっとましだということをそのうち見せますので。」
そのまま一礼して浮羽は帰っていった。
勝手に分かれるとか言いやがって…。
俺と舞の目が合う。
その目は何処か怒っているようだった。
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