1604人が本棚に入れています
本棚に追加
結城の事だから、私がサプライズや王道なベタなシチュエーションは苦手だとわかっていたんだろう。
ドラマや映画のような展開や話は大好きだ。
でも、それは妄想の中や話の中だから感動する出来事であって、実際に自分の身に起こればただ恥ずかしいだけだった。
それが、結城との付き合いの中でわかった事だった。
相手が”こいつ”だからつい憎まれ口を叩いてしまって素直に喜べないという、面倒な私。
もっとストレートに感情を表現出来たら…と思うけれど、昔からの慣れた関係というのを崩すのはなかなか難しいんだ、これが。
現に今だってせっかくプロポーズをしてもらったというのに
「ば、馬鹿じゃないの?!ご飯作ってる時に言うこと?信じられない!」
なんて、思っている事と反対の事を言ってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!