第2話 現実は非情である

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『話なんざ大したことじゃねえ。今のスペックについて知っとかねぇと、いざって時にどんだけ無理が出来っか分かんないだろ?』 「そもそも無理する気なんかねぇよ。そういう場面は極力回避、危険行為ダメ絶対」 『え、嘘だろ。世界救わねえの?』 「ねぇよそんなやる気。怪我しそうだし」  何を戸惑うことがあるのか。  騙して強引に異世界に来た俺が、簡単になびくと思われていたこと事態がおこがましい。人間舐めてるとしか思えない。 「とにかく、俺に必要な情報持ってないってのはよく分かった」 『うわ、結構傷付くぜ……』 「じゃ、もう切るぞ」 『だから待てっての。いきなり剣とか魔法とか食らったって正当防衛で訴える前に死んでっかも知れねぇだろうが。自衛手段として理解しとけってっ言ってんの』 「……まぁ、一理あるな」  生憎、武器を携行出来る世界に殺人を罰する法があるかさえ疑わしい。最悪、斬り捨てられるなんて事になればと考えると背筋が薄ら寒くなる。  となれば、これも必要な情報か。 『聞く気になったか。初っ端からそうしてりゃ良いんだよ』  でも、態度が気に食わない。
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