私の存在証明

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あの制服…。 うちのか。 自然の灯火が消え去った空は薄暗く。 向かってくる者達の顔を見えなくしている。 ざわざわと内側で感じた嫌な感覚は、私の足を一歩後ろへ引かせていた。 とりあえず、…離れよう。 「くーるーみーちゃん」 振り返った先で、女の先輩が私を待ち構えていた。 恐ろしく冷たい笑顔を向けて、そこにいた。 「聞いたよ? 隆次のことバカにしたんだって? …あれ、ウチの彼氏の弟なんだよねえ あーなんかもう…いい加減大人しくしようか?」 普段、私と歩羽を「うぜえ」と罵る人だった。 良く思ってないんだって事は重々把握していた。 だから、出来る限りこの人にだけは関わらないようにしてきたはずなのに。 後ろから先程の男子高校生が掛けて来た。 もうこの時点で予想は付いてる。 私をシメようとしてるんだって。 「子供は何人欲しいかなあ? …くるみちゃん」
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