私の存在証明

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私は呆然と歩羽を見つめていた。 頭が付いて行かなかった。 「ちょ…なに? 栄ちゃんと避妊しなかったの?」 「…今まではしてたよ でも、生が良いって一回だけ…」 「…それじゃあ、中退? したらウチ1人じゃん…」 「…ごめん」 「ごめんじゃねえよ!! 何でガキなんか作ってんだよ!!」 初めて涙を見せた歩羽に、怒りがこみ上げた。 ずっと一緒だったのに、こんな形で裏切られるとは思わなかったんだ。 そうだ。 歩羽とは小学校から親友で。 中学でも、高校でも。 いつも並んで歩いてきたんだ。 それはこれからも変わることのない関係だと信じていたのに。 「ふざけんなよ!! だから男と付き合うなって言ったんだよ!! ロクでもねえ事になるからやめろって!!何回も何回も!!」 「でも…っ 栄ちゃんが好きなんだもん…!」 「好きって感情がくだんねえんだよ!! んなもん一種の錯覚だろうが!!」
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