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その日の夜
四人の影の会談
「そろそろ動きそうだぞ」
「そうみたいですね」
「私、蚊帳の外だったんだけど…」
「冬眠でもしてろ、後で役割教えてやるから」
「はい、すみません、だから地味に足を踏むなぁ」
「いやじゃ」
「おま…後で覚えてろよ…」
「一昨日来やがれ」
「話が進まないから黙ってていなさい」
「「すみません」」
「情報が足りないんですよね…どうします?」
「「とりあえずそこで覗き見ている奴等に聞いてみるか」」
二人の影が立ち上がる、すると
逃げるように二つの影が動いた
「やはり聞かれていましたか…絶対に帰さないでくださいね?『夏』さん」
「誰に言っている?『春』よ」
バチッと言う音と共に影が一つ消えた
「あっちは多分助かりませんね…『冬』さん、もう一人は生かしておいて、って言うまでもないですよね」
「もう終わったよ」
逃げたはずの影は、立ち上がったもう一人の影が捕まえていた
「じゃあ『秋』さんお願いします」
「任されました」
黙って座っていた最後の一人が近付き、掌を顔の前に置く
淡い光が灯った、瞬間
耳を劈く悲鳴が二つ辺りに響いたが、誰にもその声は聞こえない
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