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「ちょっと紫苑!嘘つかないでよ!」
涙目で訴えてきたが
「わかるだろ…普通…」
「そうやってからかって!」
両手でポカポカと叩いてくる
「やめたまえ」
デコピンで応戦する
「あう」
「騙される方が悪い、というか覚えていないのが悪い」
「ごめんなさい」
額を押さえながら謝る牡丹を見て紫苑は笑う
「謝るな、どっからどう見ても僕が悪いよ」
「うー」
釈然としない表情だ
「む、すまないが用事を片付けてくる、帰ってくるまでに機嫌直しておいてくれよ」
「やだ」
即答された、こういう時は
「チョコレートで「いつものね」はい」
手をうってくれと言おうとしたら食い気味に言われた
「じゃあいってくる」
「いってらっしゃい~」
向かうのは王の所
その途中で
「おや?紫苑さん」
「ん?桜さんですか」
城の図書館の司書をしている男性、である。物語もたまに手掛けいるそうだ
「椿さんが探していましたよ、あとで顔出してあげてください」
「了解です、あとで行きますよ」
「伝えましたからね~」
用件だけ伝えて桜は図書館へと帰っていった
玉座の間にて
「遅かったの」
「娘さんに捕まっていました」
「いつもすまんな」
「いえ、好きでやっている事ですので」
『竜胆王』
この国の王であり、牡丹の父
家臣にも民にも慕われる良き王
「で、なんで呼ばれたんですか?」
「直に戦争になる」
「そうですか」
「驚かんのだな」
「よくある事でしょう?戦争なんて」
「そうだったな…で本題なんだが」
「はい」
「妻と喧嘩したのだ!」
「愚痴はお断りデース」
話が長くなりそうだったので全力で玉座の間から逃げた
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