そして歯車は廻り始める

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玉座にて 「紫苑さんが話を聞いてくれなかったからって私に愚痴らないでいただけます?」 「お前も冷たいのぉ」 どうやら紫苑に愚痴を聞いてもらえなかったので桜に愚痴っているようだ 「失礼します!」 バァンという音と共に紫苑が飛び込んできた 「おお、紫苑よ、儂の話を聞きに来てくれたのか!」 「違います」 見当違いの事を言ってきたので即答してやった 「そんな…」 「それよりどういう事ですか!」 「なにが?」 「求婚の件です」 「え?球根?植えとけば?」 「その髭刈り取りますよ」 「ごめんなさい」 臣下に謝る王様というのも中々見ない光景である 「で、どういう事ですか?」 「どうしたもなにも、向こうが勝手に言ってきたことじゃ、断ってやったわ、それに」 「それに?」 「我が娘には、紫苑という婿候補がいるのだ!」 「…初耳なんですが?」 「え?そういう関係じゃないの?」 「どこをどう見たらそう見えるんですか…」 「え?違うんですか?」 「桜さんもですか…」 「え?だってあれは、ねぇ…」 「なんですか」 「なんでもないです」 「愛娘を何処の馬の骨かもわからん奴には絶対にやらん!」 「それをいったら僕も何処の馬の骨かわかりませんよ…」 「お前は別じゃ」 「そんな…」 「なにより、牡丹が気に入っているのだ、まあ連れてきた時は驚いたがな」 「初めて会った時」 牡丹の出会い、それは少し前に遡る
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