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「……そうだね。……無理だよね」
良かった。
好きになってなくて、良かった。
……さすがに好きな人にこんな風にフラれていたら、私はきっと立ち直れない。
彼は「付き合うのは、なかった事にしよう」なんて意味不明な事を口にして、そのまま発作を起こした私を置き去りにして去って行った。
翌日学校へ行くと、本当に彼は私とは目を合わさずに、昨日まで付き合っていた事がなかったかのような態度を取った。
そのとき、恋なんてそんなものなんだって知ったんだ。
好きなんて、口ではいくらでも言える。
そこに心が込められていなくても。
それに私だって、好きになっていないのに付き合う事を了承したんだから。
不思議と、涙は出なかった。
悔しいと思う事も、なかった。
ただ、わかっただけ。
傷つきたくないなら、恋はしない。
最初から何もかも、諦めた方が楽だから。
病気の事を理解してほしい人に出会ったとしても、理解してくれる人には出会えない。
全て最初からわかっていれば、誰も傷つけなくて済むし自分も傷つかないで済む。
だから私は、恋はしない。
何も望まない。
この先も、きっと、ずっと。
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