バスの後列から2番目、窓側の君

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「純!そろそろ起きないと学校遅刻するわよ」 …部屋のドアの奥から聞こえたママの声で、一気に目が覚めた。 枕元に置いているスマホで時間を確認すると、既に7時半を過ぎている。 「…やばっ!」 もっと早く起こしてほしかった…と思うと同時に昨夜アラームを設定せずに寝てしまった自分を心の中で責める。 とりあえずクローゼットから制服を取り出し、下着も手に持って勢いよく部屋を飛び出した。 バタバタと階段を降りると、朝食の目玉焼きを作るママの姿が目に映った。 「ママ!もうちょっと早く起こしてほしかったんだけどー…」 「純、いつも自分でアラームかけて寝てるじゃない」 「だから、今日は忘れたんだってば!」 そのままバタバタとお風呂場へ向かうと、ちょうど洗面所からパパが出てきたところだった。 「おはよ純。朝からずいぶんバタバタしてんな」 「だって遅刻しちゃうかもしれないんだもん…ちょっとパパ邪魔、どいて!」 強引にパパを押しやり、私はお風呂へと駆け込んだ。
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