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「ホント、わかんない。なんでそんな変なことに燃えるのか全然わかんないです」
すっかり機嫌を損ねた美衣を乗せて車を走らせる事30分。
車を停めて運転席を降りた。
「どうぞお姫様」
助手席に回りドアを開けて手を伸ばす。
「ま、ままさか!こ、ここでするんですかっ?」
顔をひきつらせる美衣に堪えきれない笑いが溢れる。
「そこまで変態じゃないから、安心して」
降りるように促して手を引いた。
「ほら、おいで」
「うわぁ、……」
眼下に広がる夜景に言葉をなくした美衣の瞳はキラキラと光り輝いていた。
「……キレイ」
綺麗だと呟いた美衣の左手を取り持ち上げる。
ポケットから取り出した指輪を左手の薬指に滑らせると、美衣は小さく息を飲んだ。
「後悔させないから」
返事も忘れたようにただただ自分の左手を見つめる美衣の頭にキスをする。
「一緒に生きてくれる?」
うんうん、と何度も頷くばかりの美衣の顔を覗き込み返事を待つ。
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