第1章

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不意すぎる。 ずるすぎ。 きみは何時もそうだ。 その無邪気な笑顔で。 その『好き』と発する声で。 その無意識に握る手に。 その意味の無い言動に。 何時も何時も 振り回されるぼくがいる。さらに、無条件で募っていくんだ。 いつの間にか《きみ中心の世界》になっているぼくの世界。 朝、目が覚めて取り敢えずきみに《おはよう》と入れる生活。 迎いに行って、送る。 キスをして、腕で包んで、〈エヘヘ〉って照れ笑いするきみ。 〈なぁ。 それはさ。意図的にやってんのか?〉 とは、訊けず。 完全に惚れ込んでいるぼくがそこにいた。
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