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「あの子…っていうか夢瑠(ゆめる)ちゃんは、お母さんのお兄さんの婚約者の妹夫婦の子なの」
僕は名前を聞いたとき、ふいに何か世代を感じた。
「夢瑠ちゃんのご両親は先日交通事故で亡くなったの。
なかなか子供に恵まれなかったんだけど、やっと初めての子ができて本当に大喜びしたそうよ」
「で、その子…夢瑠ちゃんはなんでうちなんかに?」
母は押し黙り、難しい顔をした。
「う~ん、…大人の事情よ」
そう言って再び母は黙った。
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