第10章 ヤキモチ

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「今日は夜ご飯どうしよっか?」 「遅くなっちゃってもいいなら作るよ?」 「本当? 心の手料理食べたいし、そうしてもらおうかな。 あ! でも、二人でゆっくりしたいし、デリバリーでもいいかも。」 「あはは、じゃあどっちにするか部活終わるまでに考えておいてね。」 今日は千里のお家にお泊りに行く。千代さんとうーちゃんには話してあるけど、昭人さんときーちゃんには内緒でとお願いした。二人とも「そうだよね。」と言いたげな顔で了承してくれた。 「休憩終わりみたいだから戻るね。」 「うん。 練習頑張ってね。」 「ありがとう。 立ってるの辛かったら何処か別の所で待ってて。 それかどっかお店で待っててもいいから、無理しないでね。」 「移動する時はメール入れとくね。」 千里は笑顔を残してグラウンドへ走って戻って行った。 _大事にされてるって感じるのに、こんなに胸が苦しいのはどうして? 私は……。 考えを失くすように頭を横に振った。 ずっとここにいても同じ事ばっかり考えてしまいそうで、場所を変えることにした。サッカー部の練習が終わるまでにはグラウンドに戻ってくるとは思うけど、千里に“バスケ部の練習見に行ってくる。”と一応メールを送った。 体育館に移動して、二階席からコートを見下ろした。コートでは丁度試合をしているところだった。バスケットゴールのある公園でたまに練習に付き合ったりするけど、うーちゃんがちゃんとしたコートでプレイしてるところを見るのは久しぶりだ。 バッシュが床に擦れた時のキュッキュッって音が好き。うーちゃんにその事を言うと『変な奴。』と言われた。 _理由は分かんないけど妙に落ち着くんだよね。
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