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大丈夫、と千宮は貴子を落ち着かせる。
「彼は言っていた。
君に借りを返したいだけだ、と・・・。
そして、
君が・・・、その、結婚生活に苦しんでいて
逃げ場がない、と彼は言っていた。
だから、貴子の苦境を救ってやってほしいと
僕とのことを調べて、会いに来たんだ。」
「でも・・・どうして・・・」
なんとなく、気付いていた。
大石が何をしているのか・・・
だから、驚かなかった。
大石が自分の状態を知っている事にも
居場所を知っている事にも・・・
それでも、だからこそ、恐ろしかった。
大石が何を望んで、何を得ようと
自分に関わるのか・・・
分からなくて、恐ろしかった。
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