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  ようやく一息ついた貴子に 千宮は空を見上げ、続ける。 「ここは僕の祖国で、大切な場所だ。 でも、もう、ココには僕が帰るべき場所はない あの時、そう思った。 だから、二度と戻るつもりもなかった。 ・・・でも・・・」 千宮は視線を貴子に戻して微笑む。 「君の事を聞いて、 僕は居ても立っても居られなくなって・・・ 今も君が1人泣いているかと思うと 何も手につかなくて・・・ ごめん、だから、来てしまったんだ。 こんな事、君を苦しめるだけかも、と 分っているのに・・・ 僕は我慢できずに、来てしまった・・・」
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