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「それは違う。」
珍しい千宮の力強い否定に
貴子は彼を見上げる。
千宮は微笑む。
「言っただろ?
知っていた。
僕は貴子がそうなると知っていた。
だけど、あの時は目の前の仕事に手一杯で
時間も身体も空ける事が出来なかった。
だから、僕のせいなんだ。」
フルフルと首を振る貴子を
それでもね、と千宮はもう一度引き寄せ、抱き締める。
「確かに、目の前の仕事に夢中で
過ぎる時間すら気づかないほど没頭していた。
頭も身体も仕事で一杯だった。」
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